最近ぐっすり眠れていますか?
睡眠をしっかりとるというのは、私たち人間にとって非常に重要なことです。
人の一生のうち、3分の1は睡眠時間に使っていると言われており、三大欲求のひとつともいわれています。
しかし、仕事や人間関係、家庭問題、日々の生活習慣が起因して寝不足状態に陥っている人もいるはず。
「いつでも眠れるから今は大丈夫」と、ついつい後回しにしがちな人もいるはずです。
最初は眠ろうと思えば眠れる状況だったにもかかわらず、ゆくゆくは「眠れる時間はあるのに眠れない」に変わってしまう日が来るかもしれません。
このような状態を医学界では不眠症と呼んでいます。
不眠症にならないためにはどうすればいいのか?
また、もし不眠症になってしまった場合の治療法をチェックしていきましょう。
目次
睡眠はなぜ大切?寝不足を放置してはいけない理由
睡眠をとることがなぜ大切なのか?
代表的な理由としては、心身ともに疲弊した状態を回復させるためです。
深い睡眠をとるほど、体内や体外の修復・回復を促進させる成長ホルモンがたくさん分泌され、代謝活動も行われます。
とくに子どもは、日中の活動中はよく動き、夜間はよく眠ることが大切。
「寝る子は育つ」という言葉も、単に子どもにおとなしくしてほしいからという親の思いからではなく、成長ホルモンが関係しているからなんですね。
また、活動中は常にフル稼働している脳も睡眠をとることによって休息モードに入り、自律神経の働きを整えてくれます。
自律神経の働きが正常化されると、日々感じているストレスからの回復や耐性が向上するのです。
脳内のメンテナンスを行うための行為といっても過言ではありませんね。
大人になると、仕事が始まり考えることが多すぎて眠らないという選択肢を積極的にとる人は大勢います。
眠らないという選択肢をとってしまうと、下記のようなデメリットが生まれます。
・生活習慣病の発症リスクが高くなる
・不眠症を誘発
その他にも、自律神経が整えられないことによって些細なことでイライラしたり、人に八つ当たりして感情のアップダウンが激しくなってしまうケースもあります。
不眠症になってしまった場合の治療法
眠る時間がないから眠れないという状況を頻繁にこなしていると、ゆくゆくは不眠症を誘発してしまいます。
そもそも不眠症とは何なのか?と疑問に思っている人もいるはず。
不眠症は、寝不足と違って「眠る時間はあるのに眠れない」という状況を招く、睡眠障害のひとつです。
時間はあるけど眠れないという状況にプラスして、日中の活動している時間帯にやる気が起きなかったりダルさを感じたりしている状況が1ヵ月以上続いた場合は不眠症と診断されます。
不眠症状は単に眠れないという状況だけでなく、他の症状もあります。
・途中で何度も起きる(中途覚醒)
・早めに起きてしまう(早期覚醒)
・いくら寝ても寝たりない(熟眠障害)
不眠症を治療する際には、上記の各症状に対処できる睡眠薬が医師から処方されます。
睡眠薬の種類はたくさんある
睡眠薬は、症状別に分類されているためさまざまな種類があり、患者ひとりひとりに合った薬が処方されます。
では、具体的にどのような薬があるのかをチェックしてみましょう。
マイスリー、アモバン、ルネスタ、ハルシオン、レンドルミン、リスミーなど
サイレース、ベンザリン、ユーロジン、ドラール、ソメリン、ダルメートなど
入眠障害や中途覚醒に有効なお薬は、作用時間が2~12時間ほど、早期覚醒や熟眠障害に適している睡眠薬は、12~24時間以上です。
それぞれ効果を発揮している時間の長さが違うため、ひとりひとりにあった薬を選んでもらわないといけないわけなのです。
海外はどうしてるの?同じ薬?
日本での不眠症治療は、睡眠薬処方が一般的です。
一方、外国でも同じく不眠症には睡眠薬を処方します。
薬名も日本と同じ場合が多いのですが、ジェネリック薬品ではまた名称が異なります。
たとえば、ルネスタ(Lunesta)のジェネリックはハイプナイト(Hypnite)として販売されています。
ハイプナイトはインドの製薬メーカーが製造・販売しており、ルネスタと同成分を配合しているジェネリックのため同等の効果が望めるといわれています。
ジェネリックと聞くと「新薬よりも効果が弱いのでは?」と感じ取ってしまう人もいます。
しかし、ジェネリックは新薬(先発薬)と同じ成分を配合するのがルールなので、そのような心配はないといえます。
睡眠薬はどの科でもらえる?
不眠症を発症してしまった場合は、精神科や心療内科に従事している専門医と相談してください。
睡眠薬は基本的に内科や産婦人科でも処方される場合もあります。
しかし、処方をしている医者が不眠症の専門医ではない可能性もあるので、きちんと不眠症に精通している精神科や心療内科の医者に処方してもらった方がいいです。
いつも通っているかかりつけ医にオススメの医者はいないか聞いてみるのもひとつの手かもしれません。
日本人はどうも精神科という言葉に敏感で、その科の名前を口に出すのも抵抗がある、家族にすら通院しているとは言いたくないと思っている人がたくさんいます。
そういった患者心を配慮して、近年では精神科や心療内科というよりもメンタルクリニックと看板を掲げている医療機関もあるようです。
ウィメンズ・メンタルクリニック、ファミリーメンタルクリニック、こころのクリニックと名称はさまざま。
ご自身が求めているクリニックを探し求めて診察を受けてみましょう。
病院以外でも買える方法がある?
睡眠薬は基本的に医療機関で処方を受ける医薬品です。
実は、その他にも購入できる方法があるって知っていますか?
先ほど紹介したハイプナイトですが日本をはじめ、さまざまな他の国にも輸出を行っているんです。
インド以外に住んでいる人がネットを経由して注文をし、輸出しています。
個人輸入と呼ばれるこの手法は、処方箋を必要としません。
まさに医者いらずで睡眠薬を入手できるというわけなのです。
不眠症を抱えている人の中には、医療機関を通さず、個人輸入でハイプナイトを購入している人も。
私が診てきた患者さんの中には「これも飲んでもいいか?」と確認のためにハイプナイトを持ってきたことがありました。
「私からは飲んでもいいとは言えません」とだけ言いましたが、その後服用したのかしていないのかは不明です。
医療従事者からすると個人輸入の薬はあまりオススメできませんが、輸入行為は法律的にもOKラインなので個人の判断に委ねることしかできません。
海外の薬はハイプナイトだけでなく、多くのルネスタ・ジェネリックが存在しています。
どのジェネリックも成分はルネスタと同じなので、個人輸入を利用している人も気に入っているメーカーや価格を選んで買っているようです。
あまりオススメはできませんが、どうしてもハイプナイトのような睡眠薬を輸入したい場合は、一度きちんと医師による診察を受けてからにしましょう。